稲刈り直後の籾(玄米)はそのままでは水分が多過ぎるので、乾燥させる必要があります。水分が多過ぎると、保存中に味、風味が悪くなり、ひどいときにはカビが生えたりします。
天日干しとは、刈った稲を穂がついたまま左の写真のように太陽の光と風で乾燥することをいいます。
魚沼地方では“はざ掛け”といったり“はって掛け”といっています。地方によっていろいろな呼び方があるようです。【魚沼産コシヒカリ はざ掛け米】といったら天日干ししたコシヒカリのことを指しています。
乾燥機械が導入される前は、全て天日干しだったのですが、各地域や農家の組合によって大型の乾燥機械を導入するようになってからは、あまり天日干しの風景を見なくなりました。
機械で温風によって乾燥する場合は長くても3〜4日で目標とする水分含有量まで乾燥できますが、天日干しはその年の気候に左右され、長いときは一ヶ月以上も“はざ掛け”をしているときがあります。はざ掛けの作業は全て人力で行われ、手間と時間がかかるのではざ掛けしたお米の値段は高くなります。
天日干しは一般的に甘み・旨味が増すといわれています。茎をつけたまま乾燥するので(機械乾燥の場合は稲刈りと同時に籾と茎を分け、籾だけを乾燥機械に投入します)、最後まで茎からの養分が米に行き渡るという説や太陽光に含まれる紫外線によって旨味が増すという説があるようですが、はっきりとした理由は分かっていないようです。
“天日干し”や“はざ掛け米”という表記が特にない場合は機械乾燥によるコシヒカリとなりますが、機械乾燥には常に一定した水分含有量となるメリットがあり、最近では遠赤外線と温風によって乾燥させる機械も登場して、旨みを増す工夫がされています。
はじめは天日干しをして、ある程度乾燥したら、仕上げに機械で乾燥している農家の方もいます。
金額があまりにも違う場合は、天日干し、機械乾燥にこだわらなくてもいいのではないでしょうか。
ちなみに私は機械乾燥の魚沼産コシヒカリを食べています。